せっかくお気に入りのパーマをかけたのに、髪のパサつきやダメージが気になって「髪質改善」を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、ネット上では「髪質改善をしたらパーマが取れてしまった」という声をよく目にします。髪を綺麗にしたいという願いと、カールを維持したいという希望を同時に叶えるには、正しい知識が必要です。
この記事では、髪質改善でパーマが取れる具体的な理由や、カールの形状を維持しながら美髪を目指すためのポイントを詳しく解説します。自分の髪の状態に合った施術を選び、理想のスタイルを長く楽しむためのヒントを見つけていきましょう。髪の構造や薬剤の性質を知ることで、美容室での失敗を未然に防ぐことができます。
髪質改善でパーマが取れる原因と髪内部の仕組み

髪質改善という言葉は魅力的ですが、施術の内容によってはパーマのカールを弱めてしまう性質を持っています。なぜ髪を綺麗にするはずの施術でパーマが落ちてしまうのか、そのメカニズムを理解することが大切です。ここでは、髪の内部で何が起きているのかを詳しく見ていきましょう。
酸熱トリートメントの酸性成分による形状変化
髪質改善の代表格である「酸熱トリートメント」には、主にグリオキシル酸などの酸性成分が使用されています。この成分は髪の内部に新しい架橋(橋渡し)を作ることで、ダメージで歪んだ髪の形状を整え、ツヤやハリを出す効果があります。しかし、この「形状を整える」という働きが、パーマによるカールの形状に干渉します。
酸熱トリートメントの薬剤が浸透すると、髪内部の結合が一時的に再構築されます。この際、パーマで作られたカールのカーブよりも、薬剤による「整列した状態」が優先されてしまうことがあります。特に、パーマの結合が弱まっている髪に強い酸熱トリートメントを行うと、カールのリッジ(山)が緩くなり、結果としてパーマが取れたように感じてしまうのです。
また、酸熱トリートメントは髪を「収縮」させる作用も持っています。髪がギュッと引き締まる過程で、ふんわりとしたカールの隙間が埋まってしまい、ストレートに近い質感に寄ってしまうことも原因の一つです。このように、薬剤の特性そのものがパーマの形状維持とは相反する性質を持っているケースが少なくありません。
施術工程に含まれる高温アイロンの影響
髪質改善の施術工程において、仕上げにヘアアイロンを使用することが一般的です。特に酸熱トリートメントでは、薬剤を髪に定着させるために180度から200度近い高温でアイロンを通します。この熱処理は、髪の水分を飛ばして脱水縮合(だっすいしゅうごう)という反応を起こさせるために不可欠なステップです。
しかし、この高温のアイロンワークがパーマにとっては大きな負担となります。パーマのカールはタンパク質の結合によって形作られていますが、高熱が加わることでその結合が引き伸ばされ、平坦な形に固定されてしまうのです。せっかく薬剤で髪を補修しても、物理的にアイロンで真っ直ぐに伸ばしてしまうため、パーマが取れてしまいます。
アイロンの熱は髪を整えるために必要ですが、パーマを残したい場合は温度調節やアイロンの通し方に細心の注意が必要です。技術者による力の加減一つで、カールの残り具合が大きく変わってしまうほど、熱処理の工程はデリケートな作業となります。熱による形状記憶の力が、パーマのカールよりも強く働いてしまうことが失敗の要因です。
髪内部の水素結合とイオン結合の組み換え
髪の毛の形は、4つの異なる結合(シスチン結合、塩結合、水素結合、ペプチド結合)によって支えられています。パーマは主にシスチン結合を薬剤で切断・再結合させて形を作ります。一方、多くの髪質改善メニューは、水素結合やイオン結合(塩結合)にアプローチして髪の広がりやパサつきを抑える仕組みです。
髪質改善によって髪内部の水分バランスやイオンバランスが劇的に変化すると、パーマの土台となっていた結合の状態にも影響が及びます。特に髪が「酸性」に大きく傾くような施術の場合、パーマが安定して維持できるpH値(ペーハー値)から外れてしまうため、結合が緩みやすくなってしまうという側面があります。
また、髪質改善成分が髪の芯までぎっしりと詰まることで、髪一本一本が重くなります。この「重さ」によって重力に負け、柔らかなカールが下に引き伸ばされてしまう現象も起こり得ます。健康でしっかりとした髪になるのは良いことですが、パーマの軽やかな動きを出すための「遊び」が失われてしまうことも、パーマが取れたと感じる理由の一つです。
パーマと相性が分かれる髪質改善の主な種類

「髪質改善」という言葉は、美容室によって定義が異なるため注意が必要です。使用する薬剤の種類によって、パーマが全く取れないものもあれば、一回の施術でほぼ消えてしまうものもあります。自分が受けようとしている施術がどのタイプに当てはまるのか、事前に確認しておくことが重要です。
グリキシル酸配合の酸熱トリートメント
もっともパーマが取れやすいと言われているのが、グリオキシル酸を主成分とした酸熱トリートメントです。グリオキシル酸は髪の歪みを矯正する力が強く、くせ毛を落ち着かせる効果が高い一方で、パーマのカールも一緒に矯正してしまう性質があります。この薬剤を使用する場合、パーマが弱くなることは避けられないと考えたほうが良いでしょう。
グリオキシル酸は髪の細胞間に新しい架橋を作る力が非常に強力です。この強力な結合が、パーマの緩やかな曲線を真っ直ぐな方向へと固定してしまいます。もし現在のカールを維持したいのであれば、グリオキシル酸配合のメニューは避けるか、配合濃度を大幅に下げたマイルドなタイプを相談するのが賢明です。
ただし、パーマが伸びすぎて扱いにくくなった際の「パーマ落とし」として活用されることもあるほど、その矯正力は確かです。艶を出す効果は絶大ですが、パーマスタイルとの共存が非常に難しい薬剤であることを覚えておきましょう。施術前に担当の美容師へ、グリオキシル酸の使用有無を確認することをおすすめします。
システムトリートメント(内部補修型)
一方で、パーマを落とさずに髪を綺麗にできるのが、ケラチンやCMC(脂質)などを補給する「システムトリートメント」と呼ばれるタイプです。これは髪内部に栄養を詰め込む作業がメインであり、髪の結合そのものを組み換えるわけではありません。そのため、カールの形状に大きな影響を与えることなく、ダメージケアを行うことが可能です。
最新のシステムトリートメントの中には「髪質改善トリートメント」として提供されているものも多くあります。これらは超音波アイロンなどを使用して浸透を高める工夫がされていますが、基本的にはパーマを伸ばす成分を含んでいません。むしろ、不足していた水分やタンパク質が補われることで、パーマのリッジが復活し、綺麗なカールが蘇るケースもあります。
もし「今のパーマを絶対に落としたくないけれど、髪の傷みは治したい」という場合は、この補修型のトリートメントを選ぶのがベストです。アイロンによる仕上げを必要としないものや、低温での定着を目的としたものなら、カールの形状を損なう心配はほとんどありません。美容室で「パーマを残したい」と伝えれば、このタイプを提案してくれるはずです。
酸性ストレートや縮毛矯正との違い
混同されやすいのですが、髪質改善メニューの中には「酸性ストレート」や「縮毛矯正」に近いものも存在します。これらは髪の結合を切断する還元剤を含んでいるため、トリートメントではなく「薬剤による矯正施術」です。当然ながら、これらの施術を行えば、パーマのカールは完全にリセットされ、真っ直ぐな状態になります。
最近では「ストレートではない髪質改善」と謳いながら、微量の還元剤を含ませて手触りを良くするメニューも増えています。これらは仕上がりの手触りが非常に滑らかになりますが、パーマとの相性は最悪です。薬剤の力で髪の構造を変えてしまうため、一度でも施術を行うとパーマが取れるだけでなく、再度パーマをかける際の難易度も上がってしまいます。
自分の髪に「ストレート剤」や「還元剤」が含まれる施術を行うのか、それとも「栄養補給のみ」のトリートメントなのかを見極めることが失敗を防ぐポイントです。メニュー名だけで判断せず、カウンセリング時に「還元剤(パーマを落とす成分)は入っていますか?」と確認することで、意図しないカール消失を防ぐことができます。
| 種類 | パーマへの影響 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 酸熱トリートメント | 取れやすい | 酸の力でハリ・コシを出すが、カールを伸ばす性質がある。 |
| システムトリートメント | ほぼ影響なし | 栄養を補うため、カールの艶や弾力がアップする。 |
| 水素・ケラチン系 | 影響少なめ | 水分保持やタンパク質補給がメインで、質感向上が期待できる。 |
| 酸性ストレート | 完全に取れる | 癖を伸ばす薬剤が含まれるため、パーマはなくなる。 |
パーマを維持しながら髪質改善を楽しむためのポイント

髪のダメージを抑えつつ、パーマスタイルも楽しみたいという欲張りな願いは、工夫次第で叶えることが可能です。大切なのは「どのタイミングで」「どのような施術を」選ぶかという戦略です。ここでは、パーマを落とさずに美髪を手に入れるための具体的な秘訣を解説します。
施術を受ける順番を逆転させる
多くの人が「パーマをかけた後に髪質改善」を考えがちですが、実は順番を逆にすることが成功の鍵となる場合があります。先に髪質改善を行い、髪のベースを整えた状態でパーマをかける手法です。これにより、ダメージを抑えながら綺麗なカールを作ることが可能になり、後からパーマが取れるリスクを減らせます。
先に髪の内部を補強しておけば、パーマ剤による髪への負担を軽減できます。また、髪質改善で土台が整った髪は、カールの出方が均一になりやすく、仕上がりのクオリティも向上します。ただし、使用する髪質改善の種類によっては、パーマ剤の浸透を妨げることもあるため、同じ日に施術を行うか、数週間の間隔を空けるのが理想的です。
もし既にパーマをかけている状態で髪を綺麗にしたい場合は、酸熱トリートメントではなく「プレックス系トリートメント」を併用することをおすすめします。これは髪の結合を強固にする成分を含んでおり、カールの形状をキープしたまま、髪の芯を強くする効果が期待できます。順番を変えるだけで、パーマの持ちと手触りの両立がグッと楽になります。
カールの形を守る「弱酸性」や「ノンアイロン」の選択
パーマを維持したいなら、施術中に高温アイロンを使わない手法や、薬剤のpH値が髪に近い「弱酸性」のものを選ぶことが有効です。酸熱トリートメントであっても、仕上げのアイロンを丁寧なブローに置き換えたり、140度以下の低温で行ったりすることで、カールの伸びを最小限に抑えることができる場合があります。
最近では「アイロン不要の髪質改善」も登場しています。これは、特殊なトリートメント成分を超音波やナノスチームで浸透させるもので、物理的に髪を引き伸ばす工程がありません。これならパーマのカール形状を物理的に破壊することがないため、安心して美髪ケアに専念できます。メニュー選びの際は、アイロンワークの有無を確認しましょう。
また、薬剤選びにおいても、カールのリッジを補強する「ヘマチン」などの成分が含まれているものを選ぶと良いでしょう。ヘマチンはパーマ剤の残留成分を除去しつつ、髪のタンパク質を強化する働きがあるため、ケアをしながらパーマの持ちを良くしてくれます。自分のなりたい質感に合わせて、最適なアプローチを美容師に相談することが近道です。
カウンセリングで「パーマ優先」を明確に伝える
美容室でのカウンセリング時、単に「髪を綺麗にしたい」とだけ伝えると、美容師は最大限の効果(ツヤやまとまり)を出そうとして、強力な酸熱トリートメントを提案しがちです。その結果として、パーマが取れてしまう事態が起こります。これを防ぐには、自分の優先順位をはっきりと伝えることが不可欠です。
「パーマのカールは今のまま残したいけれど、手触りを改善したい」「パサつきは抑えたいけれど、真っ直ぐになりすぎるのは困る」といった具体的なニュアンスを共有してください。美容師はあなたの優先順位がわかれば、薬剤の選定や放置時間の調整、アイロンの温度設定をパーマに配慮したものに変更してくれます。
また、これまでの施術履歴を細かく伝えることも重要です。いつパーマをかけたのか、どのような薬剤を使ったのか(デジタルパーマなのかコールドパーマなのか)を伝えることで、美容師はより安全なアプローチを選択できます。プロの視点から見て、今の髪に最適な髪質改善をカスタマイズしてもらうための情報を、余さず提供するようにしましょう。
パーマを維持するためのカウンセリング項目チェックリスト:
・パーマのカールの強さをキープしたいと伝える
・前回のパーマの時期と種類を報告する
・アイロン工程での温度調整をお願いする
・「矯正」ではなく「補修」が目的であることを強調する
髪質改善でパーマが取れてしまった時のリカバー方法

気をつけていたつもりでも、期待した以上にパーマが緩くなってしまったり、ほぼストレートになってしまったりすることもあります。そんな時、落ち込んでしまう前にできる対処法がいくつかあります。髪の状態を冷静に見極め、最適なステップを踏んでスタイルを復活させていきましょう。
デジタルパーマの再施術を検討するタイミング
髪質改善によってパーマが取れてしまった場合、すぐにパーマをかけ直すのはおすすめできません。髪質改善、特に酸熱トリートメントの直後は髪の内部結合が非常に安定しており、新しいパーマ剤が浸透しにくい状態にあるからです。無理にかけ直すと、薬剤が効きすぎてダメージが加速したり、逆に全くかからなかったりする恐れがあります。
再施術を検討するのであれば、髪質改善の施術から少なくとも「2週間〜1ヶ月」は期間を空けるのが理想的です。この期間を経て、髪内部の架橋が少しずつ馴染んでくると、新しいパーマ剤を受け入れやすい状態になります。また、再施術の際は「デジタルパーマ」など、熱を利用して形状を記憶させるタイプを選ぶと、よりリッジの強いカールが再現しやすくなります。
ただし、髪の履歴を理解している美容師に担当してもらうことが絶対条件です。酸熱トリートメントで補強された髪は、通常の健康毛とは異なる薬剤反応を示します。無理な施術を避けるためにも、今の髪の状態を正確に判断できるプロに依頼しましょう。カールの強さだけでなく、髪の体力が残っているかどうかもプロの見極めが重要です。
ヘアアイロンやコテを活用したスタイリング術
パーマが取れてしまった直後は、一時的にヘアアイロンやコテを使ってスタイリングを楽しむのも一つの手です。髪質改善後の髪は、表面のキューティクルが整っており、コテの熱が均一に伝わりやすいというメリットがあります。そのため、自分で巻いた時のツヤ感やカールの持ちが、以前よりも良くなっていることに気づくはずです。
スタイリングのコツは、髪質改善で得た「ベースの綺麗さ」を活かすことです。強い熱を当てすぎないよう、140度から160度程度の低温設定にし、短時間で巻くように心がけましょう。また、巻く前には必ず熱から髪を守る「ヒートプロテクト効果」のあるベース剤を使用してください。これにより、髪質改善の効果を長持ちさせつつ、美しいカールを作ることができます。
また、パーマが完全に取れたわけではなく「緩くなった」程度であれば、ムースやバームの付け方を変えるだけで印象が激変します。髪を濡らした状態でしっかりめにスタイリング剤を揉み込み、カールのリッジを出すようにドライヤーを当てることで、想像以上に動きが出ることもあります。セルフアレンジで今の状態の良さを探してみるのも楽しいものです。
ダメージを最小限に抑えるメンテナンス方法
「パーマが取れたからまたすぐにかける」というサイクルは、髪に過度なストレスを与えます。もしダメージが原因でパーマがダレてしまった場合は、一旦カールを諦めて「髪の体力回復」に専念する時期だと割り切る勇気も必要です。適切なメンテナンスを続けることで、数ヶ月後にはより綺麗なパーマがかけられる状態に戻ります。
自宅でのケアでは、アミノ酸系の洗浄力が優しいシャンプーを使い、髪に必要な脂質を補うトリートメントを継続しましょう。髪の内部がスカスカな状態では、どんなにパーマをかけても綺麗に形を保つことはできません。まずはヘマチンやケラチンといった成分で髪を「満たす」ことを優先し、パーマを維持しやすい土台を作っていきます。
さらに、サロントリートメントも「形状を変えるもの」ではなく「純粋な栄養補給」を目的に月1回程度取り入れるのが効果的です。急がば回れで、髪の質感を高めることに注力していれば、自然とカールの再現性も高まります。無理な化学処理を重ねるのではなく、保湿と補修を徹底することが、結果として最短で理想のスタイルに戻る方法です。
パーマが取れてしまったからといって、すぐに縮毛矯正をかけたり、さらに強いパーマを重ねたりするのは非常に危険です。髪のタンパク質が変性し、取り返しのつかないダメージにつながる可能性があります。
失敗を防ぐ!美容室でのスマートなオーダー方法

髪質改善とパーマを両立させるためには、美容室でのオーダーの仕方が非常に重要です。あなたの希望と現在の髪の状態を美容師が正確に把握できれば、失敗のリスクは限りなくゼロに近づけられます。ここでは、美容師が判断しやすくなる上手な伝え方を詳しくご紹介します。
過去の施術履歴を正確に伝えるメリット
美容師にとって、お客様の「施術履歴」は最高の判断材料です。特に髪質改善を行う場合、過去半年から1年間に受けた施術内容が薬剤選定に大きく影響します。パーマをいつかけたのか、セルフカラーはしていないか、過去に縮毛矯正をしたことはあるかなど、記憶にある限り正確に伝えましょう。
特に「酸熱トリートメントを過去に何度か行っている」という情報は極めて重要です。酸熱トリートメントは回数を重ねるごとに髪内部の結合が強固になり、パーマがかかりにくくなったり、逆にパーマが取れやすくなったりする傾向があります。これを知らずに施術を進めると、想定外の仕上がりになってしまうことがあります。
また、ブリーチやハイライトの有無も必ず伝えてください。ダメージレベルが高い箇所があると、髪質改善の薬剤が過剰に反応してしまい、その部分だけパーマが完全に消えてしまうリスクがあるからです。嘘偽りのない情報を共有することが、あなたの髪を守るための第一歩となります。スマートフォンの写真などで過去のスタイルを見せるのも非常に有効な手段です。
「広がりを抑えたい」のか「艶を出したい」のかを明確に
「髪質改善をしたい」という言葉の裏には、人それぞれ異なる悩みがあります。広がりを抑えてボリュームダウンしたいのか、それともボリュームは残しつつ表面にツヤだけが欲しいのかによって、選ぶべきメニューは全く異なります。この目的を明確に伝えることで、パーマを消さずに済む可能性が高まります。
もし、パーマを維持したまま「パサつきだけを抑えたい」のであれば、薬剤による矯正力がほとんどない「高濃度水素トリートメント」や「ケラチン補給トリートメント」が適しています。一方で、「うねりを伸ばして扱いやすくしたい」のであれば、ある程度のパーマ消失は覚悟した上で、酸熱トリートメントを選択することになります。
「今のパーマのふわふわ感は気に入っている」という一言を添えるだけで、美容師はストレート効果の低い薬剤を選んでくれます。抽象的な「綺麗にしたい」という言葉だけでなく、「ここはこうしたい、でもここは変えたくない」というこだわりを言語化して伝えることが、納得のいく仕上がりを手に入れる秘訣です。
髪質改善の種類が豊富なサロンを選ぶ
全ての美容室が、あらゆる種類の髪質改善を扱っているわけではありません。サロンによっては、特定のメーカーの酸熱トリートメントしか置いていないこともあります。そうなると、お客様の「パーマを残したい」という要望に対して、手持ちの薬剤を薄めて対応するなどの妥協が生じてしまうケースも少なくありません。
理想的なのは、酸熱トリートメントだけでなく、システムトリートメント、水素トリートメント、プレックス剤など、複数の選択肢を持っているサロンです。メニューが豊富なサロンは、それだけ髪の構造に関する知識が深く、お客様一人ひとりの髪の状態に合わせて最適なレシピを提案できる可能性が高いと言えます。
事前にホームページやSNSで「どのような髪質改善を扱っているか」をチェックしてみましょう。事例写真にパーマスタイルと髪質改善を組み合わせた投稿があるサロンなら、その扱いにも慣れていると判断できます。自分のスタイルを守りつつ、最高に輝く髪へと導いてくれる専門性の高いサロン選びを心がけてください。
髪質改善とパーマを美しく保つホームケアの習慣

美容室での仕上がりを長く維持できるかどうかは、その後のホームケアにかかっています。髪質改善の効果を長持ちさせつつ、パーマのカールを綺麗に保つためのケアは、少しのコツを意識するだけで劇的に変わります。毎日の習慣を見直して、サロン帰りの感動をキープしましょう。
弱酸性のシャンプーで質感を維持する
髪質改善後の髪は、非常にデリケートなバランスの上に成り立っています。市販のシャンプーに多い「高級アルコール系」の強い洗浄成分は、せっかく入れたトリートメント成分やパーマの結合を弱めてしまう可能性があります。理想的なのは、髪と同じ「弱酸性」のアミノ酸系シャンプーを使用することです。
アミノ酸系シャンプーは、汚れを優しく落としながら髪に栄養を補給してくれます。特に、髪質改善で使用される酸性成分と相性が良く、質感を硬くせずに柔らかい状態を保つのに役立ちます。また、パーマのカールも乾燥によってダレやすくなるため、保湿力の高いシャンプーを選ぶことでカールの弾力をサポートできます。
洗う際の注意点として、地肌をマッサージするように洗い、毛先は泡を馴染ませる程度に留めてください。過度な摩擦は髪の表面を傷つけ、ツヤを失わせる原因になります。良いシャンプーを使うことは、髪への投資の中でもっともコストパフォーマンスが高いケアと言えるでしょう。担当の美容師におすすめのシャンプーを聞いてみるのも良い方法です。
アウトバストリートメントの正しい使い方
お風呂上がりの髪は、キューティクルが開いており、内部の成分が逃げやすい状態です。ここで活躍するのが、洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)です。髪質改善の効果を閉じ込め、パーマの動きを出しやすくするために、髪の状態に合わせて使い分けるのが正解です。
髪の広がりやパサつきが気になる方は、内部まで浸透する「ミルクタイプ」を全体に馴染ませ、その上から表面を保護する「オイルタイプ」を重ねるダブル使いがおすすめです。パーマのカールをしっかり出したい場合は、少しセット力のあるムース状のトリートメントを使うと、形を整えながらケアができます。
付ける量は、欲張りすぎず「適量」を守りましょう。ベタつきすぎると、重みでパーマが伸びてしまうだけでなく、ドライヤーの熱が伝わりにくくなり、乾かしすぎ(オーバードライ)によるダメージを招きます。手のひらでしっかり伸ばしてから、中間から毛先にかけて丁寧につけていくことが、均一なツヤとカールを作るポイントです。
髪を乾かす際のテンションのかけ方に注意
髪質改善の効果とパーマを両立させる上で、もっとも気をつけたいのがドライヤーの乾かし方です。髪質改善を意識するあまり、手ぐしでピンと引っ張りながら乾かしてしまうと、パーマのカールがどんどん伸びてしまいます。髪を乾かす時は、カールの形を崩さないように優しく扱う必要があります。
まずは根元をしっかり乾かした後、中間から毛先にかけては手のひらでカールを「持ち上げる」ようにして風を当ててください。くるくると指で巻きながら乾かすのも良いですが、強く引っ張りすぎないよう注意しましょう。温風で形を作った後に、最後に冷風を当てることで、髪内部の結合が固定され、ツヤとカールが格段に持ちやすくなります。
もし髪質改善の影響で少しカールが弱まっていると感じるなら、ディフューザー(ドライヤーの先につける専用のノズル)を使うのも非常に有効です。風を分散させて熱だけで乾かすことができるため、パーマをダレさせずにふんわりと仕上げることができます。毎晩の丁寧なドライが、翌朝のスタイリングを驚くほど楽にしてくれるはずです。
濡れたままの髪で寝るのは、摩擦ダメージの増大だけでなく、髪質改善の効果を著しく低下させ、パーマの形を崩す最大の原因です。必ず完全に乾かしてから就寝するよう心がけてください。
まとめ:髪質改善でパーマが取れる仕組みを知って賢く美髪へ
髪質改善によってパーマが取れてしまうのは、決して珍しいことではありません。しかし、その原因が「薬剤の性質」や「熱処理の工程」にあることを理解していれば、回避策を見つけることができます。酸熱トリートメントのような矯正力の強いものから、純粋な栄養補給を目的としたシステムトリートメントまで、自分の目的に合ったメニューを選ぶことが失敗を防ぐ最大のポイントです。
パーマと髪質改善を両立させるためには、カウンセリングで「カールの形状を維持したい」という意思をはっきりと伝え、施術の順番や薬剤の種類を美容師と一緒に選んでいく姿勢が大切です。また、もしパーマが緩くなってしまった場合でも、適切なホームケアやスタイリングの工夫で、その時の髪の状態を最大限に美しく見せることは可能です。
髪を綺麗に保ちたいという美意識は、あなたの魅力をさらに引き立ててくれます。パーマの華やかさと、髪質改善による艶やかな質感。この両方を手に入れるために、まずは信頼できる美容師さんに相談し、無理のない範囲で理想のヘアスタイルを育んでいきましょう。知識を味方につければ、あなたの髪はもっと美しく、もっと自由になれるはずです。



